このブログを読む前に一つだけ。思いっきりネタバレします。
ヒーローズ・ジャーニー
ブログ「映画をぶっ壊せ!!」の第二弾。
今回は、みんな大好き『ハリー・ポッターと賢者の石』をぶっ壊していこうと思う。
今回は、前回のT2のように思うがままにダラダラと書くのではなく、ちゃんと順序立てて書く予定(は未定)。
前回はシド・フィールドの三幕構成に沿ってぶっ壊していったけれど、今回もただぶっ壊すのではなく、ある切り口にそって「ちゃんと」ぶっ壊します。
今回の切り口とは、「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」だ。
なんだかかっこよさげなネーミング。これは物語を作る人、ストーリーテラーには馴染みの深いガイドラインだ。これから物語を作りたい人、作りたくない人も映画の見る目が変わるかもしれない、聞いて損はない、必見のガイドラインとなっているので、ぜひ読んでほしい。
ヒーローズ・ジャーニーって何?
本題に入る前に、前提となる「ヒーローズ・ジャーニー」について話していこうと思う。言葉の定義は、wikipediaを参照したい。
世界中の多くの民話や神話に共通する、主人公が日常から何らかの非日常に遷移し最大の試練を乗り越え宝を持って、再び日常へ帰還する通過儀礼の構造である。
「ヒーローズ・ジャーニー」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2024/10/18(金) 13:30 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org
難しく書いてあるけど、「英雄の旅」(ひでおじゃない)という言葉そのままの意味で解釈して問題ない。簡単に言うと、物語に出てくる主人公が物語を通して本物の英雄になっていく過程(旅)を示したものを指す。この理解でいい。
この「ヒーローズ・ジャーニー」という考えを有名にしたのはアメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベル氏。世界中の神話や民話、宗教を研究し、どんな時代のどんな場所のどんな物語にも共通する物語のプロセスがあることを発見し、それを著書「千の顔を持つ英雄」の中で体系化した。その中でもとくに有名な「英雄の旅17の段階」という理論を提唱したんだ。

ばっと羅列すると下記のような感じ。
ジョーゼフ・キャンベルによる「英雄の旅17の段階」
第一章 冒険への召命
- 冒険への召命
- 召命拒否
- 自然を超越した力の助け
- 最初の境界を超える
- クジラの腹の中
第二章 イニシエーション
- 試練の道
- 女神との遭遇
- 誘惑する女
- 父親との一体化
- 神格化
- 究極の極み
第三章 帰還
- 帰還の拒絶
- 魔術による逃走
- 外からの救出
- 帰還の境界越え
- 二つの世界の導師
- 生きる自由
この17段階については、神話・寓話・民話・宗教と多岐にわたる物語をカバーしていて、抽象的・概念的な理論で構成されてる。言葉も分かりづらいでしょう?解説するにはちょっと余白が足りなすぎるんだ。まあ、解説するには私の腕が足りないとも言える。正直言うと、映画のストーリーにあてはめようとはしてみたけれど、こじつけが必要な場面が間々あったりしたのも事実。要は解説しづらいってことだ。なので、この解説は今回はパス!
だけど、多くの映画製作者に影響を与えた「ヒーローズ・ジャーニー」。これをみんなに知ってもらいたい。
そこで!
ジョーゼフ・キャンベルのヒーローズ・ジャーニーをもっと現代的に、まさに映画製作用に役立つようにアレンジしたものがある。それが、クリストファー・ボグラーが提唱する、「ヒーローズ・ジャーニー:12のステージ」だ。

ウォルト・ディズニー・カンパニーのストーリー・アナリストとして活躍していたボグラー氏はジョーゼフ・キャンベル氏の「千の顔を持つ英雄」に惚れ込み、自身でその内容を映画にあてはめていった。そうしてストーリー製作において、「千の顔を持つ英雄のプラティカルガイド」というたった7ページの実際に物語制作に使えるツールを開発した。それを発展させ、一冊の本にまとめたものが、「神話の法則 ライターズジャーニー」だ。
さてこの12のステージは、以下の通り。
クリストファー・ボグラーによる「ヒーローズ・ジャーニー:12のステージ
- 日常の世界
- 冒険への誘い
- 冒険への拒絶
- 賢者との出会い
- 第一関門突破
- 試練、仲間、敵対者
- 最も危険な場所への接近
- 最大の試練
- 報酬
- 帰路
- 復活
- 宝を持っての帰還
ちょっとだけ、言葉が優しくなった気がする。なんとなくイメージがわくものもあるんじゃないかな。
今回はこれを使って、みんな大好き『ハリーポッター』をぶっ壊して、解説してみたい。
また、彼もまた3幕構成の支持者で、12のステージも3幕構成に沿って展開されると話している。
『ヒーローズ・ジャーニー』の基本形、三幕構成から学び取れることは無限大である。(中略)始まり、中間、終わりがあり、各幕の終わり近くに、それぞれのクライマックスがある。これらのクライマックスは、円形図に示す『ヒーローズ・ジャーニー』の主要なターニング・ポイントにあたる。
クリストファー・ボグラー著, 神話の法則 ライターズジャーニー, 愛育社, 2002, p.495
「ヒーローズ・ジャーニー」もまた、三幕構成と同じで、あくまで骨組み。これらのステージは増やしたり、減らしたり、入れ替えたりできる。
物語というのはこのステージありきで存在するのではなく、自由な発想で物語を創ろうと突き詰めていくと、結果的に同じような傾向が出るって話。なので、この枠組みを使ったからって、素晴らしいストーリーができるとは限らない。
では、前置きはこれくらいで。次回は本編でお会いしましょう!
映画はみんな、素晴らしい。


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