このブログを読む前に一つだけ。思いっきりネタバレします。
不朽の名作をぶっ壊せ!!
不朽の名作ってどんな映画を言うんだろう?賞を独占した映画?みんなが泣いた映画?往年のスターが一番輝いている映画?決まった定義は無いけれど、人それぞれの心のなかにそれぞれ不朽の名作というのは存在していると思う。その中で、極めて多くの人たちの心に存在する不朽の名作っていうのは存在するのだろうか。
答えはイエス。
それは40年たった今でもテレビでシリーズ一挙放送とかして視聴率を未だに取れるようなモンスター級の名作映画だ。それを今回恐れ多くもぶっ壊してみる。
その映画とは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だ。いわずと知れたタイムスリップというジャンルをメジャーに押上げ、今も頂点に君臨し続ける映画だ。前々回ぶっ壊したT2もタイムスリップモノの名作だが、この映画はさらに6年も先輩だ。

映画の概要を一応説明すると、
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(原題: Back to the Future)は、1985年のアメリカのSF映画。ロバート・ゼメキスが監督とボブ・ゲイルと共に脚本を作成し、マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、クリスピン・グローヴァー、トーマス・F・ウィルソンらが出演する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 より
ちなみにスティーブン・スピルバーグが製作総指揮をしている。
ロバート・ゼメキス監督といえば、BTTFシリーズの他にも『フォレスト・ガンプ』や『キャスト・アウェイ』など数々の名作を生んでいる巨匠だ。
こんなにも古い映画だけれども、観ればわかる。全くもって色褪せない。本当に面白い映画。観たことない人がいるのかわからないけど、もしいたら絶対に観てからこのブログを読んでほしい。きっと楽しんでもらえるはずだから。
ストーリーを簡単に説明しておく。今回はChatGPTさんにあらすじをまとめてもらった。
1985年のアメリカ・ヒルバレーを舞台にしたSF映画で、主人公マーティ・マクフライは、高校生の普通の少年。ある日、親友であり発明家のドク・ブラウンが作ったタイムマシンに乗り、過去の1955年にタイムスリップしてしまう。そこでマーティは、自分の両親がまだ高校生だった頃に出会い、母親と一緒に過ごすことになってしまうが、母親は未来の息子であるマーティに恋してしまい、父親との恋愛関係が崩れかける。もし、両親の出会いがうまくいかなければ、自分の存在が消えてしまう可能性があるため、マーティは必死で過去を修正しようと奮闘する。ドクと協力して、両親を再び結びつけ、未来が元通りになるように努力する。
いい感じにまとめてもらえたけど、ドクが時計台に落ちる予定の雷を使ってマーティを1985年に戻そうと奮闘するくだりが抜けていたので一応ここで補足しておく。
あと、この映画の驚くべきところが、それは40年も前の映画なのに、監督や主要キャストが全員存命だということ(2025年3月現在)。これは嬉しい。みんな長生きしてほしい。ホントに。古い映画が好きでよく観るんだけれど、観終わったあとに、キャストがほとんど亡くなっているということが分かるとなんとも言えない寂しさを覚えることがホントに多いから。
そんなBTTF(略称)を今回ぶっ壊させていただこうと思う。今回は、前回、前々回と長々と説明させてもらった、シド・フィールドの三幕構成とクリストファー・ボグラーのヒーローズジャーニー12のステージの復習もかねて、2つの視点で徹底的にぶっ壊していく。
大雑把に2つの構成を復習してみよう。
三幕構成
全米脚本家協会の殿堂入りしている脚本家シド・フィールドが体系化した三幕構成。それまで物語をつくる人が、なんとなく三幕がしっくりくるよねーと言っていたものを、体系化し、言語化して皆にわかりやすいようにまとめあげたもの。今では世界中の物語が三幕構成を採用している。そんな基本中の基本の理論だ。
その彼が何度も何度も繰り返している言葉がある。
それが「ドラマは葛藤である」という言葉だ。このブログでも何度も登場している。
ドラマは葛藤である。葛藤なしでは、アクションは生まれない。アクションがなければ、キャラクターを作ることができない。キャラクターなしでは、ストーリーが生まれない。ストーリーがなければ、脚本は存在しない。
シド・フィールド著『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』フィルムアート社, 2009年, p.352
葛藤というのは心の葛藤みたいなイメージだけれど、英語では”conflict”、意味的には「対立」。なので物理的な対立も葛藤となる。人生に悩む若者、恋に悩む乙女、ライバルを倒すために特訓するボクサー、邪悪田な的と戦うヒーロー、国を背負って戦争する軍人。これらは全て葛藤となる。
まず主人公が何に葛藤しているかを把握することで、物語の本質をしっかりと捉えることができる。この葛藤の内容がテーマと呼ばれることも多い。これが映画の中心を通る芯となっていて、映画をぶっ壊す時もまずは真っ二つに割ってその芯確かめる。それが最初のスタートだ。この芯がブレてる物語は、ストーリーに一貫性がなくて、観客を物語に夢中にさせることができない。
物語の芯であるテーマがわかったら、次は幕の役割のとおりに物語が進行していく。幕の役割は以下の通り。
- 「第一幕」・・・状況設定
この物語が、主人公がいつ、どこで、誰が、何を求めているのかを示す。 - 「第二幕」・・・葛藤
主人公の求めているものを手に入れるために、奮闘する。 - 「第三幕」・・・解決
主人公が奮闘した結果、何を手に入れ、何を学び、どう変化したかを示す。
二時間映画の場合、時間配分は大体決まってる。第一幕は開始から20分〜30分あたり、第二幕は80分〜90分。第三幕が80〜90分〜120分となる。
もう少し細かくすると、
- ファーストプロットポイント
第一幕と第二幕の間に来る、主人公の転機となる大きな事件。 - ミッドポイント
第二幕の中間。前半の山場。主人公が望みを叶え、絶頂期を迎えれば後半は落ちていき、逆にどん底を迎えれば後半は逆転していく。 - セカンドプロットポイント
第二幕と第三幕の間に来る、ラストの解決につながる大きな出来事が来る。
超ざっくりだけど、三幕構成はこんな感じを覚えておいてもらえると嬉しい。
ヒーローズ・ジャーニー:12のステージ
- 日常の世界
- 冒険への誘い
- 冒険への拒絶
- 賢者との出会い
- 第一関門突破
- 試練、仲間、敵対者
- 最も危険な場所への接近
- 最大の試練
- 報酬
- 帰路
- 復活
- 宝を持っての帰還
次にヒーローズ・ジャーニー。これは物語の主人公が、日常から非日常の世界に飛び込み、試練を乗り越えて宝物を手に入れ、再び日常の世界に返ってくるという昔の部族などで行われていた成人の通過儀礼のプロセスを体系化したものになる。正確に言うと、上記「ヒーローズ・ジャーニー:12のステージ」と言われるもの。
ヒーローズ・ジャーニーという言葉を最初に有名にしたのはアメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベル氏。世界中の神話や民話、宗教の物語に共通する物語のプロセスがあることを発見し、それを著書「千の顔を持つ英雄」の中で体系化し、「英雄の旅17の段階」という理論を提唱した。
その理論を、アメリカのストーリー・アナリストであるクリストファー・ボグラーが、映画製作用に役立つようにアレンジしたものが「ヒーローズ・ジャーニー:12のステージ」だ。
この2つの理論を合わせて、みんな大好き『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に当てはめながら、物語がどんなプロセスでどんな構成で進められているのかを見ていこうと思う。
それでは、序章としてはこれくらいにして、次回からは実際にバック・トゥ・ザ・フューチャーをぶっ壊してみる。ではまた次回にお会いしましょう。
映画は、みんな素晴らしい。

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