このブログを読む前に一つだけ。思いっきりネタバレします。
「幕」とは?
第二回『ターミネーター2』、早速ぶっ壊していきたいけど、今回は物語を読むうえでの前提みたいな話をしてみる。
前回は、真っ二つに割って、その中心にある「テーマ」を見た。今回はとりあえず3つに割ってみる。その3つは、「幕」(Act)と呼ばれる。
さて、このよく耳にする「幕」、英語だとact。映画とか舞台とかよく出てくる用語。これって何なんだろう?
もう脱線の予感しかしないけれど、なんとなく聞いたことあるってだけの人のためにぜひ説明したい。

https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=38237574による
「幕」とは、映画を構成する物語の一番大きなかたまり。
wikiには、「舞台芸術における場面区分の単位」とも書いてある。
そのかたまりは、大きさによって名前が違う。
物語 > 幕 > シークエンス > シーン > ビート>(ショット)
右に行くほどかたまりとしては小さくなる。
一番基本となる「シーン」について、有名なアメリカのシナリオ講師のロバート・マッキー氏がこう定義している。
シーンとは、ある程度連続した時間と空間において、対立や葛藤から生じるアクションのことを言い、それによって、登場人物の人生でなんらかの価値を持つものが、少なくとも1つは変化する。
ロバート・マッキー著, ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則フィルムアート社, 2018年, p.533 By Transferred from en.wikipedia to Commons., CC BY-SA 3.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17936459
小難しい説明なので、めっちゃ簡単に言うと、「ある場所で、なんらか意味のあるやりとりが一つ行われる」ってこと。ちなみに一つの映画には「シーン」が、40〜60シーンあると言われてる。
「シークエンス」は、そのシーンの2つ〜5つがかたまったもの。それ自身が始まりと中盤と結末を持っている小さな物語。数は8つとも言われてるけど、特に決まってはない。
「ビート」とは一番小さいかたまり。アクションとリアクションの組み合わせで、一連の動作。
ちなみに、「ショット」は、よく聞く単位だけど、どちらかというと編集の話で、切れ目なしに連続で撮影された映像の単一断片を指す。なので物語としては意味はあまりなく、カッコ書きとしてる。
さて、本題の「幕」については、シークエンスがいくつか集まったものだと言える。
数としては基本的に3つ。第一幕、第二幕、第三幕で構成される「三幕構成」でできていることが非常に多い。というかほとんどがそう作られている。日本で言うところの「序破急」と同義。かっこいい言い方をすれば、「テーゼ」「アンチテーゼ」「ジンチテーゼ」なんて呼び方もある。三幕構成はいわゆる世界基準となっていて、日本の学校で習う「起承転結」のような四幕構成はほとんど見られないし、批判も多いらしいので、三幕構成を前提に話をすすめたいと思う。
「幕」の役割
この三幕それぞれには、ちゃんとした役割があって、適当なシーンを並べたものじゃないんだ。
「第一幕」・・・状況設定
「第二幕」・・・葛藤
「第三幕」・・・解決
この呼び方はシド・フィールド氏を参考にしているけれど、呼び方は様々。意味はほぼ一緒。
さらに、時間も決まっていて、映画が二時間だとすると、第一幕は開始から20分〜30分あたり、第二幕はそこから80分〜90分くらいまで。そこからラストまでが第三幕となっている。ちょうど1:2:1くらいの割合かな。決められた公式ってわけじゃないけれど、バランスの取れた構成がその割合。
映画ってもっと自由でクリエイティブな印象だと思っていたアナタ。実は違うんですねー。結構ロジカルで形式的なものだったりする。決められた二時間という枠の中で物語を完結しなければいけない映画は結構制限が多く、自由にできない。しかし、「制約は創造の母」なんて言ったりするように、限られた枠の中で偉大な監督たちは創意工夫で映画を発展させてきたんだ。
第一幕…状況設定
第一幕の役割を詳しく見ていこう。
状況設定とは、意味はそのまんま。いわゆるつかみのパート。
この映画が、どんなテーマで、いつの時代で、場所はどこで、主役は誰で、敵は誰で、仲間は誰で、世界の仕組みがこんなで、っていうのをここで説明する。
製作側としては、どんな映画かをいち早く観客にわかってもらうことが非常に重要となる。観客が映画館の席に座って、荒唐無稽なファンタジーの世界に没頭するために、この映画はこんな映画だからね!と分かりやすく伝えなきゃいけない。映画は最初が10分が大事というけれど、まさにこの状況説明のことで、それが上手いか下手かってことで、感情移入のレベルが決まってくる。
さあ、ようやく本編に入れる!
と思ったけど、文字数的にもちょうどいい感じになってしまったので、今日はここまで。
言い訳ではないけれど、最初の映画だったりするので、基本的な用語の説明が多くなってしまう。映画をもっと楽しんでもらいたいというのが目的なので、こういった話をよく知らない人のためにも丁寧にやっていこうと思う。
だから今日のところはご容赦いただきたく!
次回こそ本編!
映画は、みんな素晴らしい。



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